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人力車

人力車

29.語り継ぐこと 

昭和20年8月15日終戦(現在、終戦から59年が経過):今、戦争を経験、又は記憶している人々は、60代後半以上の方々で、介護保険が適応される、お年寄り(高齢者)といわれている人々である。現代の社会情勢では、高齢社会と言われ、施設で生活している方や一人暮らしの方も大勢いる。はたして今の世の中は、これまで苦労してきた・おじいちゃん・おばあちゃん・たちにとって、暮らしやすい世の中なのでしょうか?
当時、お国の為と学生(18~20歳)学徒出陣:予科練の志願兵:
そして、21歳以上の健康な男児達は、たった1枚の『赤紙』により全ての者が招集された。
戦争という死に場所へ
これは、80歳になった一人暮らしのおばぁちゃんが語ってくれたことです。

29.語り継ぐこと 

私が まだ 若かった頃
この国は 戦争を始めた
愛する人を 連れ去って
二度と 戻しては くれなかった

幼い 乳飲み子を 抱きながら
防空壕へ 身を潜め
空襲警報に 怯えて
泣き続ける わが子を なだめてた

食べることすら 自由にならず
生きることだけで 精一杯だった
何も望まない ただ みんなが
無事に暮らせることだけを


私の身体が 日に日にやつれ
わが子の泣き声も小さくなった
何も出ない 乳房を吸いながら
眠るようにあなたは消えていった

大空襲で この町も
すべて 焼き尽くされて
悲しむ暇も うなだれることも
出来ないほど 疲れ 果ててた

夫を亡くし わが子を亡くし
全てを奪った 戦争を
もう二度と 繰り返すことなんか
決して 許しては いけない


身寄りを亡くした 子供たちが
遠く散り散りに 引き取られ
つらく悲しい 働きに耐えて
生きるすべを身につけた

今の時代に 生きる人は
なんて愚かなものだろう
物があふれ 欲にまみれ
生きる意味も 見失ってる

何もなくていい 愛する家族と 
共に暮らせる 平和があるなら
互いを想い 共に過せる 
時を大切に 生きよう


今 この 80年の
人生を振り返ると
いろんな人に 助けられて
これからも ずっと支えられていく

淋しくないよ あなたが時々
こうして尋ねて きてくれて
私の話を 聞いてくれるだけで
ただそれだけで いいのよ

淋しくないよ あなたが時々
こうして尋ねて きてくれて
私の話を 聞いてくれるだけで
ただそれだけで いいのよ


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